Twitterアプリをスマホから消した

先週本屋をぶらぶらしていて見つけた本に影響されてtwitterアプリをスマホから消した。

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本の前半では、現代人はスマホSNSのせいで注意散漫になり、また巨大IT企業が莫大な投資をしてユーザーの注意力を奪い会うための競争を繰り広げているため、半端な努力ではそれから逃れるのが難しいことが説明されている。特にSNSはライトな繋がりと承認欲求を満たす場として、単に時間を奪う以上にユーザーの精神にも悪影響を与える。この本の後半では、単なるアナログ回帰ではなく、SNSや広告などの誘惑を避けつつ、生産的な活動の質を上げるために現代のテクノロジーをうまく使っていこうという主張がされている。

そういえば少し前に Netflix で見た『監視資本主義』というドキュメンタリーでも同じような話がされていた。

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本でもドキュメンタリーでも共通して述べられていたのは、僕ら個々のユーザは、TwitterFacebook, Youtube のようなサービスにとっては客ではなく広告主に売り渡す商品であるということだ。そしてそのためにできるだけユーザーを画面に釘付けようと技術開発をしている。僕自身もインターネット企業で働いているので、ユーザーのWebサイトの回遊を0.1%増やすのに企業がどれだけ莫大なお金を投下しているかについてはある程度見知っているつもりだ。サービスの規模が大きくなればなるほど、0.1%の改善が生み出す利益は大きくなっていくので、大きいサービスにはより多くの人や計算資源のリソースが投下されていく。そのようにしてシステムが開発されている以上、個人のささやかな意志の力でそこから逃れることは非常に難しい。だからこそスマホからアプリを消すというような、思い切った手段が必要になる。

僕自身はtwitterでできた知り合いもいるのでSNSを完全にやめようとは思わない。しかし、日中少し息抜きにと思ってスマホでタイムラインを遡り、気づいたらかなりの時間が経過していたということが増えて流石に良くないと思うようになっていた。特にリモートワークの環境下では他人の視線がないのでそのような注意散漫が加速する。

ということで、スマホからはアプリを消し、アクセスするのは夜や休日のちょっとした時間にPCのブラウザからというルールを設けて一ヶ月過ごすのを初めてみた。とりあえず一週間経ったが、iPhoneのレポートによると、以前より画面を見る時間は63%減ったらしい。また以前使用時間の上位にいた twitter は姿を消し、gmail を見ている時間が多くなった。Gmail では大体仕事に関わる技術の最新のニュースレターを読んだりしているので、これは良い時間の使い方である。一ヶ月後果たしてどんな状態になっているだろうか。