文章を書くことは難しい

ITエンジニア界隈は、12月になるとアドベントカレンダーと称してブログ記事を量産する風習がある。今年は自分も一つ書こうと思ってエディタを開いたものの、どうも筆が進まない。書くべき材料は十分揃っているが、なんというかうまく文体が作れない感じがする。

文体というと大きいところではまず、敬体・常体というのがある。このブログは基本常体で書いている。個人のスペースに属する文章には常体がふさわしい気がする。逆に Qiita や Zenn のような場所に書くときはなんとなく敬体になる。人に読まれるという意識が強くなるからかもしれない。だからといって敬体である必要はないけれど。世の技術記事にはどちらのスタイルのものもあるが、いまだに自分が書くときにどちらがしっくりくるのかわからない。

技術的な記事を書こうとすると、一応想定読者みたいなものを念頭に置いて、どこまでは説明してどこからは説明しないかというようなことを考えることになる。そうやって型にはめてイントロやセクション割みたいなことをやって書いた文章をいざ読んでみると、説明的で凡庸でつまらない感じがする。別に論文を書くわけじゃないのだから、もう少し遊びみたいなのが欲しいなと感じてしまう。

かといって個人的な感想をどんどん入れていくと本題に入るまでに文章が長大になってしまい、これはこれでちょっと…となってしまう。

トルーマン・カポーティは文体というのは持って生まれたものだと言ったそうだ。村上春樹も文章を書くということはある程度までは訓練でできてもその先は才能だというようなことを言っていた気がする。まあそんな大げさな話ではないが、自分の中にもう少し文章のスタイルを確立したいと思う。