帰省

この土日は帰省していた。特に誰かが死んだり結婚したりしたわけではなく、諸事情あって年末は帰省できないのでこのタイミングで帰っておこうと思ったからだ。

僕の実家は日本海に面した田舎町にある。東京駅の紀ノ国屋で買ったビールとつまみを持って、朝10時の新幹線に乗り込んだ。

このサラミが異様に美味かった

日本海側の冬はいつも空が曇っていてどんよりとした気持ちになるのだが、この土曜日は珍しく天気が良かった。帰省するたびに、地元で飲食店をやっている親戚を訪ねて色々食べさせてもらう。今回は刺身と鰻の白焼きを頂いた。

故郷の記憶は、東京に出てきた18の時で半ば止まっているので、時々帰ると周囲の人が自分の想像以上の年齢になっていって驚く。僕の両親も体にガタが来始めており、もう10年も経つと放ってはおけなくなるのだろうなということを考えてしまった。

暇な時はずっとトルーマン・カポーティの『冷血』を読んでいた。

カンザス州の田舎で一家4人が殺害された事件を元にした小説で、取材と筆致の細かさには驚かされるが、文章として読んで面白いかと言われると今のところは微妙かもしれない。なんとなく、幼い頃、夜に家の周囲がひっそりとすると(実家は田舎なので夜は本当に暗く静かになる)どこからともなく暴漢がやってくるのではないかという根拠のない恐れを抱いていたことを思い出した。冬は積もった雪の反射でいつもより明るくなり、時々除雪車も通るので安心感があったりもした。

母親と話をすると毎回、何を言いたいか要領を得なかったり同じことを何回も話したりするので次第にうんざりしてくるが、まあ人間いつ死ぬともわからないので悔いのないように接しておかねばと思って付き合っている。

年末になると何かやった感を出したくなりブログを書こうという気持ちになる。これをもっと継続していきたいのだけど。